新年度が始まりました。入学試験や入社試験に合格してこの春を迎えられた方もいらっしゃるでしょう。また、これから今年度の資格試験等に挑戦される方もいらっしゃると思います。どうしたら試験に合格することができるのかという課題は、おそらく誰もが悩んだ経験がある永遠のテーマではないでしょうか。
もし、試験に合格する方法として、今まで誰も思いつかなかった素晴らしい方法を考え出したら特許を取得することができるでしょうか? 例えば「山当て」のコツとか、問題文の言い回しから出題者の意図を理解できてしまう「読む力」とか。しかし、このような受験テクニックは、「自然法則を利用した技術的思想の創作」ではないため、そもそも特許法上の「発明」に該当しません。仮に「発明」に該当したとしても、「産業上利用することができる発明」でなければ特許を受けることはできませんし、カンニング行為等の公序良俗に反する発明は、やはり特許を受けることはできません。
「試験に合格する方法」に関する特許発明があるのかどうか調べてみたところ、方法の発明ではなく物の発明ですが、例えば、学習者が効率良く受験勉強することができるように支援する「学習支援システム」の特許(特許5001746号)がありました。このシステムは、サーバ(業者)とクライアント(学習者)端末との間のネットワークを介し、試験までの学習可能時間等の情報に基づき効率的な学習プランを提供するというものです。(下図は同特許公報の図3-1を引用)
ところで韓国では、縁起の良い合格祈願グッズを受験生に贈る習慣があるそうです。代表的な合格祈願グッズには、「엿(ヨッ=飴)」、「찹쌀떡(チャプサルトク=もち米で作った餅)」、「포크(ポーク=フォーク)」、「휴지(ヒュジ=トイレットペーパー)」等があります。飴や餅には粘り強くくっつく、フォークには多肢選択問題で正解を当てる、トイレットペーパーにはよく問題を解くというような意味が込められています(下記URL参照)。
ちなみに、日本の合格祈願グッズは、合格鉛筆、合格鉢巻き、ダルマなどいろいろありますが、最近の人気は、受験のストレスからくる下痢止めの薬のようです。受験生の多くが持参し、売れ行きも好調だとか。
結局のところ、最終的には精神論での勝負だということのようですね。(KO)
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