自然を制御すること

  • 2014年07月15日

 こんにちは。SHOです。
 このブログを作成している最中、台風8号が日本列島に猛威をふるっていました。、台風が通り過ぎた沖縄県などに多くの被害をもたらしました。この場を借りて、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。

 日本では、例年、秋に上陸することが多い台風をはじめとする熱帯低気圧が、大雨や暴風などによってさまざまな被害をもたらします。そこで、熱帯低気圧がもつエネルギーや動きを制御して被害を少なくする試みが昔から行われています。

 1962年から1983年にかけてアメリカ海洋大気庁(NOAA)は、ヨウ化銀を散布し熱帯低気圧の勢いを衰えさせる方法の効果を実験的に検証しました。ヨウ化銀は人工降雨に使われる物質で、空中に散布し雨を降らせる方法は世界各国で干ばつ時に用いられています。アメリカでは、2005年のカトリーナに代表されるようなエネルギーが非常に大きいハリケーンが上陸し甚大な被害が発生することが多いため、このような研究や発明が積極的に行われているようです。また、熱帯低気圧を制御する方法がUSPTOや日本国特許庁に複数出願されており、ここではその一部紹介します。
・海水面温度を下げる方法(US20070101921、特開2009-100732)
 熱帯低気圧は、海水面温度が高い地域で発生、発達することを踏まえ、水温が比較的低い深海の海水と水温が比較的高い表面の海水とを入れ換える。
・衝撃波による破壊(US20100147206)
 航空機の超音速飛行によって発生する衝撃波を使ってハリケーンを破壊する。
・エネルギー注入による消滅または進路変更(特開2008-092845)
 出願人は日本の宇宙航空研究開発機構。例えば、レーザ照射衛星などを使って目的に応じて熱帯低気圧の最適な位置にエネルギーを注入する。

 いずれの方法も壮大な計画となりそうなものばかりです。それだけ熱帯低気圧のような人間にとって大きな自然現象を制御することは人間にとって難しいことなのでしょう。

 地球規模でみると、熱帯低気圧は赤道付近の海水から極付近にエネルギーを移動する自然現象であるため、完全になくしてしまうのは地球環境にとって問題があるかもしれません。しかしながら、上述したような研究や技術開発によって自然現象による被害が少しでも少なくなればと思います。

アメリカ海洋大気庁によるヨウ化銀散布の実験の内容、英語ですが図付きで説明されています
http://www.aoml.noaa.gov/hrd/hrd_sub/sfury.html

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