ハイブリッドで宇宙へ

  • 2013年11月21日

 こんにちは。SHOです。
 先日、イプシロンロケットの打ち上げが成功しましたね。2013年8月27日には打ち上げ19秒前にカウントダウンを停止し、たいへんやきもきしましたが、9月14日に無事打ち上げられ人工衛星の軌道投入も成功しました。この成功により日本において低価格で人工衛星を打ち上げることが可能となり、宇宙をさらに身近に感じることが増えていきそうな予感です。

 宇宙空間を進むロケットは、自らの質量の一部である推進剤を進行方向とは反対方向に射出しその反作用で推力を得る必要があります。ロケットエンジンの一つである化学ロケットエンジンは、推進剤として燃料と酸化剤とを搭載し、燃料を燃焼させることによって発生する高圧のガスを射出します。日本が世界に誇るH-IIAロケットは、液体水素と液体酸素とを推進剤とする液体燃料ロケットです。一方、イプシロンロケットは、ブタジエンや過塩素酸アンモニウムにアルミニウムを加えた固体を推進剤とする固体燃料ロケットです。(以前、このブログにて紹介しました小惑星探査機「はやぶさ」(https://www.hattori.asia/bkups/blog/2012/03/post-37.html)は、キセノンイオンを推進剤とする電気ロケットに分類されます)
 ところで、固体の燃料と液体の酸化剤とを推進剤とするハイブリッドロケットというものがあるそうです。ハイブリッドロケットエンジンは、コストの面で優れている固体燃料ロケットエンジンの利点と推力制御が容易な液体燃料ロケットエンジンの利点を兼ね備えており、また、取り扱いも比較的容易なため、世界初の民間企業による有人宇宙飛行を実現したスペースシップワンの技術として利用されています。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と一緒にイプシロンロケットを開発したIHIエアロスペースは、近年ハイブリッドロケットエンジンに関する発明を複数特許出願しています。公開特許公報を見てみると、請求項1に「樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して形成されたことを特徴とする固体燃料」と記載されている特許出願がありました。今回打ち上げられたイプシロンロケットの推進剤にはアルミニウムが混合されており、ロケットエンジンの種類は異なりますが、この特許出願の内容が使われているのかもしれません。

 ハイブリッドロケットエンジンの開発がさらに進むと、安全かつ低価格で宇宙に行けるようになるかもしれません。そんな時代が早く来て欲しいし、私はぜひとも宇宙に行ってみたいと思っています。
参考:
 H-IIAロケット:http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2a/
 イプシロンロケット:http://www.jaxa.jp/projects/rockets/epsilon/
 スペースシップワン:http://www.scaled.com/projects/tierone/

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