サルの著作権

  • 2016年07月05日

 2011年、自然写真家のデイヴィッド・スレーター氏がインドネシアの自然保護区に放置したカメラを使ってサルの「ナルト」が「自撮り」した写真。この写真の著作権は、誰にあるのでしょうか?
 昨年、動物愛護団体「PETA」は、この写真の著作権が「ナルト」にあるとし、「ナルト」に代わって、スレーター氏と出版社を相手取り、サンフランシスコ州で裁判を起こしました。ちなみに、「ナルト」が著作権を有したとしても、自らは収入を有効に使えないとして、PETAが代わりに権利を行使して、収益をサルの保護に用いると主張していました。     
 今年、2016年1月、サンフランシスコ連邦地裁は、「サルに著作権はない」との判断を下しました。「サルは人ではない」という至極真っ当と言えば真っ当な判決ですが、いろいろと考えさせられる問題も含んでいるようにも感じます。
 ちなみに、2014年の段階で、アメリカ著作権庁は「人間以外の動物による作品は著作権の対象とはならない」と名言しています。この自撮り写真は、著作権対象とはならないパブリックドメインとして扱われ、ウィキメディア・コモンズにもアップロードされています。現状、この写真は、「誰も著作権を有していない」、すなわち、カメラを設置したスレーター氏にも著作権はないということです。
 その写真は、こちらです。

サル1 サル2
  
 出典:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%92%AE%E3%82%8A#/media/File:Macaca_nigra_self-portrait_large.jpg

 なんとも愛嬌のある写真ですね(*^-^*)
 しかも結構上手! 
 (私より上手かも!?)

 最初にこのニュースを聞いたとき、個人的には、なんとも裁判大国アメリカらしい、と思いましたが、こういった論争が起こること自体は、悪いことではないと思います。
 著作権はなくても、一躍有名になった「ナルト」をはじめ、動物が不利益を受けないようなそんな社会であって欲しいと願っています。(マロン)

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