今年(平成28年)の東海地方の知的財産権関連の話題として、愛知県の一宮商工会議所が出願した地域団体商標「一宮モーニング」(称呼:イチノミヤモーニング)が登録(商標登録第5825571号)されたことが挙げられます。
地域団体商標制度は、地域の特産品のブランド化を図り、地場産業を振興する目的で平成18年に創設されましたが、出願できる団体は、当初、事業協同組合その他の組合又はこれに相当する外国の法人に限られていました。しかし、その後、地域ブランド化に貢献している団体の実情を考慮し、平成26年の商標法改正(平成26年8月1日施行)で、地域団体商標を出願できる団体として商工会議所等が追加されました。
この法改正後の商工会議所による最初の地域団体商標として、大分県の中津商工会議所による「中津からあげ」が平成28年1月8日に登録され、次いで、一宮商工会議所による「一宮モーニング」及び栃木県の真岡商工会議所による「真岡木綿」が平成28年2月12日に登録されました。
「モーニング」は、喫茶店の朝のメニューとして、コーヒー等のドリンクにパンやご飯、卵料理、サラダ、スープ、デザート等をセットとしたサービス。昭和30年代、繊維産業が全盛期だった一宮市では喫茶店が商談の場として使われており、常連客に対しマスターがコーヒーにゆで卵とピーナッツを付けたのが始まりと言われています。その一宮発祥のモーニング文化を全国に広めようと、平成21年に一宮商工会議所内の専門機関として設立された一宮モーニング協議会が中心となってプロジェクト事業を展開しています。
(一宮モーニング公式サイト)
http://ichinomiya-morning.com/
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