昨年(2015年)12月に多色ペンライトの特許を紹介するブログを掲載しましたが、今回は、それに類するケミカルライトについて紹介します。電気式のペンライトに対し、ケミカルライトは、混合溶液の化学発光を利用するものです。下の写真は、白色のケミカルライトで、反応前は黄褐色ですが(写真1)、スティックを曲げて内部のアンプルを割ると2液が混合し、白色に発光します(写真2)。
(写真1)
(写真2)
発光原理に関する技術は古く、最近の特許公報を探してもケミカルライト自体に関するものは見つかりません。以下のように、背景技術として引用されることが多いようです。
[特開2004-119212号公報]
ケミカルライトは2液を混ぜることにより非常に簡易に化学反応を越し、自身が自己発光をするものであり、・・・
[特開2013-50824号公報]
・・・様々な色で発光させ、現状のケミカルライト(商品名「サイリューム」として知られているもの)やペンライトの替わりとして機能させる・・・
[特開2015-73182号公報]
コンサート会場などで曲に合わせて例えば観客がペンライトを振る演出を行うことで観客間に一体感が生まれ、これによりコンサートを盛り上げることができる。
また今日では、ケミカルライト(サイリューム(登録商標)など)や・・・もコンサート会場などで使用される。
上記公報中にも記載されている通り、ケミカルライトは、登録商標の「サイリューム/CYALUME(称呼はサイアリューム等)」で知られています。登録番号及び指定商品は以下のようです。
第1679924号:発光性物質からなる化学剤
第1837514・1837515号:釣り用ケミカルライト、玩具用ケミカルライト、その他本類に関する商品
第1854844・1854845号:化学反応による発光を用いた照明具
これらの商標が登録された1984-1986年と同時期の1985-1987年には、伝説のアイドルユニット「おニャン子クラブ」が活動していました。時代を超えて使われてきたケミカルライトですが、最近では、ほとんどLED式のペンライトに取って代わられているようです。(コナン)