2011年、自然写真家のデイヴィッド・スレーター氏がインドネシアの自然保護区に放置したカメラを使ってサルの「ナルト」が「自撮り」した写真。この写真の著作権は、誰にあるのでしょうか?
昨年、動物愛護団体「PETA」は、この写真の著作権が「ナルト」にあるとし、「ナルト」に代わって、スレーター氏と出版社を相手取り、サンフランシスコ州で裁判を起こしました。ちなみに、「ナルト」が著作権を有したとしても、自らは収入を有効に使えないとして、PETAが代わりに権利を行使して、収益をサルの保護に用いると主張していました。
今年、2016年1月、サンフランシスコ連邦地裁は、「サルに著作権はない」との判断を下しました。「サルは人ではない」という至極真っ当と言えば真っ当な判決ですが、いろいろと考えさせられる問題も含んでいるようにも感じます。
ちなみに、2014年の段階で、アメリカ著作権庁は「人間以外の動物による作品は著作権の対象とはならない」と名言しています。この自撮り写真は、著作権対象とはならないパブリックドメインとして扱われ、ウィキメディア・コモンズにもアップロードされています。現状、この写真は、「誰も著作権を有していない」、すなわち、カメラを設置したスレーター氏にも著作権はないということです。
その写真は、こちらです。
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