こんにちは。SHOです。
皆さん、「ゆるキャラ」ってご存じですか? ゆるいマスコットキャラクターを略したもので、イベント、各種キャンペーン、地域おこし、名産品の紹介などのような地域全般の情報、PR、企業・団体のコーポレートアイデンティなどに使われます。
昨年末、私の地元の愛媛県にとってうれしいニュースがありました。
2012年の「ゆるキャラグランプリ」において愛媛県今治市の『バリィさん』が見事グランプリを獲得したのです!全国版のニュースでこのことを知ったとき、大変うれしい気持ちになったのを覚えています。年末年始に実家に帰省したとき、地元のゲーム機にチャレンジして写真の携帯電話用ストラップを手に入れてきました。 同じものはバリィさんHPの通信販売でも手に入るのですが、あえて地元で苦労してきました。
添付写真は、バリーさんの携帯電話用ストラップ
ところで、バリィさんを始めとする「ゆるキャラ」達の名称は、その数々が商標登録されています。 ①『バリィさん』は、第5305691号および第5435183号に商標登録されています。権利者は、地元の第一印刷株式会社となっており、第一印刷株式会社の社員の方がデザインされたとか。指定商品又は指定役務には、文房具や菓子などの他に今治市特産のタオルや腹巻きなどが入っています。 ちなみに、バリィさんがおなかに巻いているのはタオル地の腹巻きです。 ②一昨年の「ゆるキャラグランプリ」に輝いた『くまモン』も商標登録(第5387806号、第5540075号、第5544490号)されており、権利者は熊本県となっています。こちらは、指定商品又は指定役務の種類がバリィさんに比べて多く、商品及び役務の全45区分のうち、29の区分が指定されています。先日スーパーで買った熊本産のイチゴのパッケージに描かれていた『くまモン』は、買い物客の興味を引きつけるポイントになっていました。
このように地域振興のためのマスコットキャラクターとして身近な「ゆるキャラ」にも知的財産は深くかかわっています。皆さんも縁のある地域のキャラクターの名称を商標検索で調べてみてはいかがでしょうか。意外なことがわかって面白いかもしれませんよ。
バリィさんHP
http://www.barysan.net/
商標検索(特許電子図書館内)
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Syouhyou/syouhyou.htm
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Monthly Archives: 2013/3
マラソンの計測 ~ランナーズチップ~
こんにちはタイムです。
数年前からマラソンを趣味にする人が増え、各地域で「○○シティマラソン」が開催されていますね。私個人は興味がなかったのですが、先日家族のひとりがランナーに参加をし、初めて身近に感じました。
皆さん、あの大勢のランナーの計測ってどうしているかご存じですか?マラソン大会に接した人ならご存知でしょうが、一人一人がICチップを付けることで計測されているようです。
私が見た計測システムは、チップが埋め込まれたタグを靴に紐でくくりつけ、ゴール地点に敷かれた専用のマットをタグのついた靴が通り抜けることで、ゴール時間を計測するものでした。ゴールしたランナーたちは、ゴール後このタグを提出し、ゼッケン番号を申し出ることで、完走時間が記録された完走証書を受け取ります。このチップのことを総称して「ランナーズチップ」といい、計測業務提携会社が計測の記録を行います。計測システムは、国内外各社様々なシステムがあるようです。
この「ICチップ方式」を採用する以前は、ゴール地点のストップウォッチのタイムと選手のゼッケンのバーコードを読み取ったデータとを結合させる「バーコード方式」だったそうで、この方式では多数の人手が必要でした。その後、「ICチップ方式」が開発され、人の手に頼る必要のない計測システムに置き換わりました。この計測システムは、オランダのチャンピオンチップ社が開発し、マラソン大会に革命を起こしたとされているようです。この発明について日本の特許公報を見たいと思い検索したのですが、見つけられませんでした。どなたか見つけたら教えてくださいね。
ちなみに、私たちの事務所の在る名古屋市で先日開催された「名古屋ウィメンズマラソン」は、「女性だけのマラソン大会として参加者数世界一」というギネス記録に登録されています。今年は1万6447人が参加し、記録更新。完走者には、ティファニーのペンダントが贈られました。
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ライブをテイクアウト
こんにちは。ヒロです。
先日、歌手の野口五郎さんが特許を取得し、この特許に基づくサービスが開始されたというニュースを見ました。野口五郎さんといえば「新御三家」の一人として1970年代に大活躍したアイドルで、現在も音楽制作やライブ活動等、音楽に関する仕事を精力的に続けてみえます。野口さんは、我が故郷、岐阜県美濃市出身です。同郷の大先輩の特許に関するニュースに、注目せずにはいられませんでした。
さて、野口さん発案のサービスとはどのようなものでしょうか?やはり音楽関連?このサービスは、フォネックス・コミュニケーションズという会社が開発を担当した「テイクアウトライブ」というサービスで、コンサートライブの終了直後から、当日のライブ映像をスマートフォンで見ることができるサービスです。ライブの帰り道や帰宅後、直前に観覧したライブの感動をもう一度味わえるとあって、このサービスを体験した人達からは好評を得ているそうです。「テイクアウトライブ」というサービス名のとおり、正に「ライブ」をテイクアウトする(持ち帰る)感覚ですね。アーティストのファンにとってはとても嬉しいサービスだと思います。今後、多くのライブでこのサービスが利用できるようになるといいですね。
「テイクアウトライブ」では、二次元コードを印刷したカード等をライブの来場者に配布し、ライブ終了後に来場者がスマートフォンで二次元コードを読み取ると、主催者側で録画および編集した当日のライブ映像をスマートフォンでダウンロードし視聴できます。印刷された二次元コードにはユニークな(唯一無二の)IDが埋め込まれていて、初回視聴時にIDとスマートフォンの端末情報等とをサーバ上で紐付け、他の端末からのダウンロードを禁止することにより、来場者以外からの不正アクセスを防止できるとのこと。主催者側にも配慮されています。このサービスの基となった特許についてIPDLで調べてみると、ありました。「コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法」という名称で2011年の11月に登録(特許第4859882号)されています。
このサービスが成功したら多額の特許ライセンス料が入る可能性があることを指摘された野口さんは、「考えたことない。僕は歌うだけだから。」と答えたそうです。この特許は野口さん個人(本名)で出願、登録されており、アーティストとしてビジネスを展開するわけではないとのこと。純粋に音楽業界の発展、活性化を望んでいらっしゃるようです。素晴らしいですね。ますます、野口五郎ファンになりました。
野口五郎さんのオフィシャルHPはこちらです↓↓
http://www.goro-net.com/
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小さな切れ目の大きな貢献
こんにちは、ジンです。
最近、ペットボトルを飲むとき、ペットボトルのある秘密を発見しました。
ペットボトルの蓋をよく見ると、蓋に切れ目がついています。最初は、蓋に切れ目が入っていてよいのか?不良品じゃないか?と思い、ネットで調べたら、そうではありませんでした。
ペットボトルの蓋の切れ目は、飲み口の清潔を保つためのものです。
飲料水をボトルにつめたあと、飲み口のネジの部分には、飲料水が残ります。そのまま出荷すると、蓋と飲み口のネジの部分との隙間にカビが発生しやすく、しかし、飲み口のネジの部分を一つずつ丁寧に拭くことは大変な作業になります。ここで、飲み口のネジの部分に残っている飲料水を洗い流すために、ペットボトルの蓋に切れ目を作りました。しかし、どうやって洗い流すのでしょうか?こんな細い切れ目で、本当に洗い流すことができるのでしょうか?
さらに調べたら、ペットボトルの洗浄方法に関する発明が見つかりました。
ペットボトルの蓋を半分だけ閉めて、ペットボトルと蓋の全体にシャワーをかけると、蓋の切れ目からキャップの内側に毛細管現象により水が侵入し、飲み口のネジの部分に付着した飲料が洗い流されます。詳しい洗浄方法は、出願人サントリー株式会社の特許公開公報2007-191184号明細書を参照してください。
蓋に作られる小さな切れ目ですが、ペットボトルの衛生を保つために大きな貢献をしていますね。
ちなみに全てのペッドボトルの蓋に切れ目が抜かれているわけではありません。例えば、ミネラルウォータ等のペッドボトルの蓋には切れ目を見つけられませんでした。
毎日のなにげない商品にも、こんなに素晴らしい発明が利用されてます。
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メールは顔? ~アメリカを訪れて~
皆様こんにちは。コレポン担当の譲渡証書です。
1週間ほどお休みをいただき、留学時代の友達を訪ねアメリカへ行ってまいりました。訪れたのはイリノイ州シカゴ、ノースカロライナ州ハイポイントです。シカゴにはウィスコンシン出身の友人と3日間滞在、ハイポイントでは友人宅にお邪魔させてもらいました。旅行の様子を数回に分けてお知らせしたいと思いますが、今回は英語について、お話しします。
渡米前、英語を「話し、聞く」のが1日中になるため(※コレポンでは読み書きが中心で、話すにしても短時間)、心身ともにきっと疲弊するだろうな、と少し不安でした。しかし、意外にもなんとかなりました(外国語を聞いて話すのって、頭が疲れますよね??)。
特許事務職では、コレポン担当として毎日、Eメールを読んで、訳して、所内に展開し、また訳す、の繰り返しをしているせいか、旅行中は脳みそ的にそう負担はなかったようです。また、気心の知れた間柄なのでリラックスして話せたことも、あまり疲れなかった要因のひとつでしょう。外国語がスラスラ話せるというのは相手と自分がどういう関係かというのも大きな要素だと思います。
ウィリスタワー(旧シアーズタワー)から臨むミシガン湖と高層ビル群
お仕事では、お客様が基本的には英語を使う相手なのですが、Eメールが中心のため、文面がそのまま相手の顔になってしまう感覚があります(わかるでしょうか?)。でも、顔がわからないにせよ、相手を想像しながら言葉を紡いでいかなければいけません。外国語を綴っているとき、なんだか日本語的な思想を忘れてしまうときがあるのですが、久々に会話をたくさんして、言葉は生きているんだ、と当たり前のことを再確認した旅でもありました。
次回はもっと詳しい、シカゴ旅行記です。
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